手のしびれ・痛みの正体はこれかも?手根管症候群の専門解説

手根管症候群を専門的に解説 ―専門的メカニズム解説―

こんにちは。経堂ちとふな中央整骨院です。
今回のテーマは、現代人に多い末梢神経障害のひとつ、手根管症候群(Carpal Tunnel Syndrome; CTS)です。
単なる手のしびれと思われがちですが、神経生理学・局所圧力・構造解剖学的メカニズムから考えると、全身の機能とも関連する複雑な状態です。今回はその構造・病態・評価・治療アプローチを専門的に解説します。

① 手根管の構造と神経解剖

手根管は、手首(手関節掌側)にある骨と靭帯で囲まれた狭いトンネルです。ここを通るのは

  • 正中神経(median nerve)
  • 9本の屈筋腱(flexor tendons)

で、靭帯である横手根靭帯(transverse carpal ligament)が天井の役割をしています。
この空間はもともと狭く、圧力上昇に非常に弱い構造です。

② 病理生理学 — 正中神経の圧迫と障害

手根管症候群は、この狭い通路内で正中神経が圧迫されることによる末梢神経障害です。圧迫が続くと、以下のような連鎖的病態変化が発生します:

● 圧迫による内圧上昇と血流障害

手首の屈曲・伸展、腱・滑膜の炎症、むくみなどにより手根管内圧が上昇すると、神経に流れる血液(intraneural microcirculation)が阻害されます。
この血流障害が神経機能を低下させる第一歩です。

● 血–神経関門の破綻と浮腫形成

圧力上昇により血–神経関門(blood–nerve barrier)が壊れ、神経内に浮腫(エデマ)が発生します。
このエデマはさらに圧力を高め、神経への栄養・排泄機能を悪化させます。

● 軸索・髄鞘の変性(demyelination)

圧迫が進行すると、まず神経の髄鞘(myelin sheath)が損傷され、その後軸索自体の障害に進展することがあります。
この変化により、感覚・運動神経の機能がさらに低下します。

③ なぜ症状が出るのか?(臨床的背景)

■ 初期の感覚異常

症状は、しびれ・チクチク感・疼痛が主です。これは主に感覚線維の方が運動線維より先に機能低下するためです(感覚>運動)。

■ 明け方に悪化する特徴

夜間や早朝に症状が強くなる理由としては、

  • 手首屈曲位での長時間固定
  • 局所の循環が低下しやすい

ことが挙げられています。
このため、しびれ・痛みで夜中に目覚めることがよく見られます。

■ 進行した場合の運動障害

進行すると、母指球筋(thenar eminence)筋力低下・萎縮により、親指のつまみ動作や握力が低下します。これは神経支配領域に直接関係する運動繊維の障害です。

④ 手根管症候群の専門的評価

◎ 触診・誘発テスト

  • ファーレンテスト(Phalen’s test):手首を屈曲して正中神経圧迫を誘発
  • ティネル様サイン(Tinel’s sign):正中神経を軽叩打して感覚刺激を評価

◎ 神経伝導速度検査(NCS)

専門的には、正中神経と他の神経(尺骨・橈骨)を比較し、伝導速度・潜時の遅延を評価します。これが診断のゴールドスタンダードの一つです。

◎ 画像検査

必要に応じてエコーやMRIで正中神経の圧迫状態や腱滑膜の肥厚を観察することもあります。

⑤ 整骨院での専門的アプローチ

当院では、CTSを単なる「手のしびれ」ではなく、圧迫–循環–機能低下の総合的病態として捉えています。

① 手根管周囲の圧力軽減

  • 手首・前腕屈筋群の筋・筋膜リリース
  • 手根管周囲組織への滑動改善
    → 手根管への物理的負担を軽減します。

② 神経滑走療法(neural mobilization)

正中神経の滑走性を改善することで、神経の拘縮・伸張ストレスを低減します。

③ 末梢循環と代謝改善

前腕・手部の循環改善を目的とした手技・温熱・運動指導を行い、神経への血流を最適化します。

④ 姿勢・動作パターンの修正

手根管への負担を減らすポジション・動作習慣を分析し、リスク因子を除去していきます。

専門的セルフケアと予防

  • 手首中間位での休息・固定
  • 神経滑走ストレッチ(median nerve glide)
  • 前腕・手指の循環を促す体操
  • 長時間反復作業の休息ルールの設定

これらは単なる「ストレッチ」ではなく、圧迫–循環–神経機能に直接影響する専門的な介入です。

まとめ

手根管症候群は、正中神経が狭い手根管内で圧迫を受け、循環障害・神経変性が進行する末梢神経障害です。
進行すると感覚異常 → 運動障害 → 筋萎縮へと至る可能性があります。

当院では、神経生理学・機能解剖の視点から、根本的な改善につながる評価と治療を行っています。

「細かい指作業がつらい」
「夜間のしびれが強い」
そんな症状がある方は、ぜひ経堂ちとふな中央整骨院にご相談ください。

経堂ちとふな中央整骨院

〒156-0052 東京都世田谷区経堂2丁目16-1
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