転んだり、ぶつけたり、スポーツや事故などでケガをしたとき、整形外科や整骨院でよく言われるのが「打撲ですね」という診断。
ですが、患者さんの中にはこうおっしゃる方も少なくありません。
「ただの打撲だと思ったのに、1ヶ月たっても痛みが消えない」
「腫れや青あざは引いたけど、動かすとズキンとする」
「レントゲンでは異常なしって言われたけど、本当に大丈夫?」
こういったケースで疑われるのが、「骨挫傷(こつざしょう)」という状態です。
今回は、「打撲」と「骨挫傷」の違いを詳しく解説しながら、見逃されやすいケガへの正しい理解と、対処法をお伝えします。
打撲とは?
打撲とは、身体の表面(皮膚の下の筋肉や脂肪組織)に起きる損傷です。
転倒や衝突などによって外力が加わり、皮下組織の血管が破れて内出血や炎症が起こります。
- 青あざ(皮下出血)
- 腫れや熱感
- 押したときの痛み(圧痛)
- 動かしたときの違和感
といった症状が見られます。
一般的に、打撲は軽度なケガであることが多く、数日〜1週間ほどで自然に治癒するケースがほとんどです。
骨挫傷とは?
一方の「骨挫傷」は、骨の内部(骨髄=骨の中心部)に損傷が起きた状態を指します。
骨折のように表面が折れたりヒビが入ったわけではありませんが、強い衝撃によって骨の内部に内出血や浮腫(むくみ)が生じています。
この状態は、見た目では打撲と似ていても、骨そのものにダメージが及んでいるため、痛みが強く、治癒にも時間がかかるのが特徴です。
骨挫傷と打撲の違いまとめ
比較項目 | 打撲 | 骨挫傷 |
---|---|---|
主な損傷部位 | 筋肉・皮下組織 | 骨の内部(骨髄) |
原因 | 転倒・衝突などの衝撃 | 同様の衝撃(より強い圧力) |
症状 | 腫れ・青あざ・痛み | 深い痛み・関節の痛み・腫れ |
レントゲン | 異常なし | 異常なし(骨折ではない) |
MRI検査 | 異常なし or 軽度の浮腫 | 骨髄の浮腫・内出血が見える |
治癒期間 | 1週間程度 | 数週間~数ヶ月かかることも |
レントゲンでは映らない?骨挫傷の盲点
骨挫傷が見逃されやすい理由の一つに、「レントゲン検査では異常が映らない」という点があります。
レントゲンは骨の表面構造(骨折やヒビ)を映すのには適していますが、骨の内部(骨髄)の状態までは写りません。
骨挫傷は、MRIで初めて診断がつくケースがほとんどです。
そのため、痛みが長引いているにも関わらず「異常なし」と診断されてしまうことも多いのです。
症状の違いもチェック!
以下のような症状がある場合、単なる打撲ではなく骨挫傷の可能性があります。
・ 見た目はよくなってきたのに、深部の痛みが残っている
・ 2週間以上たっても痛みが引かない
・ 関節の動きに制限が出てきた
・ 痛みが運動や歩行で悪化する
・ 就寝中や安静時にもジンジンするような痛み
打撲による炎症は時間の経過とともに治まることが多いですが、骨挫傷は骨の内部に損傷があるため、回復までのスピードが遅く、注意深い対応が必要です。
整骨院での対応とケア
整骨院では、骨挫傷が疑われる場合、以下のような対応を行います。
✔ 症状評価とリスクチェック
視診・触診・徒手検査などを行い、骨挫傷の可能性があるかどうかを慎重に評価します。
✔ 安静指導と日常生活へのアドバイス
無理に動かすことで悪化するケースもあるため、正しい安静の取り方や生活動作の注意点をアドバイスします。
✔ 物理療法(電気・超音波・アイシングなど)
患部の炎症を抑え、自然治癒力を高めるサポートをします。
骨挫傷を早く治すために大切なこと
骨挫傷の治癒には「無理をしないこと」「初期からの適切な対応」がとても重要です。
痛みを我慢して運動を続けたり、無理に関節を動かしたりすると、症状が慢性化し、関節機能に悪影響を及ぼすこともあります。
特にスポーツ選手や仕事で身体を使う方は、「軽い打撲だから」と放置せず、早めに専門家の判断を受けることをおすすめします。
経堂ちとふな中央整骨院
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